インファクトリーに入社して12年目、主にプリント業務をしております、山田と申します。
私は3年ほど前に結婚し、昨年2023年の2月に第一子(息子)が生まれました。そこから1年間育休を取得させていただきましたので、そのことについて書いていきたいと思います。
Contents
育休を取得することへの不安
育休を1年取得し、結果的にとてもいい経験ができたと感じています。しかし、当初は休業することに対して、正直なところ不安や迷いもありました。
育休は法律で認められており、国が薦める制度でもあります。しかし、2022年の男性の取得率は約17%とかなり低い割合でした。実際、私の友人や周りの人もほとんどの人が育休を取っていませんでした。長期間休暇を取ることで、会社や世間の目が気になったり、出世への影響や他の社員への業務の負担、職場復帰の不安などが要因だと考えます。私も同様の不安がありました。
インファクトリーの育休取得の現状
インファクトリーでは、私の前に4人の男性社員が1年間の育休を取得していました。育休を取得することに対しての偏見や冷たい目などがなく、取得しやすい環境であったことが、育休取得の決心をする動機となりました。社員の中で業務分担や引き継ぎを徹底していることで、誰かが休んでも業務が滞ることない環境であることも、育休を取得しやすい理由のひとつです。
立ち会い出産
私は出産に立ち会うことができました。妻の陣痛がはじまり病院に行きましたが、コロナの関係で私は車で待機することになりました。数時間後に連絡があり病室に入ると、よくわからないまま妻のお尻にテニスボールを思いっきり押し当てました。なんの意味があるかよくわかりませんでしたが、妻や助産師さんに言われた通りに思いっきり押し当てました。
それから少しすると、何人か先生が入ってきて、本格的に出産がはじまりました。私は何をすれば良いかよくわからず、痛そうにしている妻に声を掛けることしか出来ませんでした。
すぐに子供は生まれました。立ち会うことに怖さもありましたが、生まれてくる瞬間を見ることができて本当に良かったと感じています。しっかりビデオ撮影もできました。へその緒も切りました。妻より先に子供を抱き、身長や体重の測定もしました。写真もたくさん撮りました。本当にいい経験ができたと思います。
出産から1時間程度しか病室にいることができず、帰宅することになりました。帰宅してから。何故か体が痛く疲れていたので、すぐに寝たことを覚えています。
親としてのはじまり
生まれてから退院するまでの1週間は、面会ができませんでした。会うことができなかったので、妻に息子の写真や動画を送ってもらい、退院を楽しみにしていました。退院の日になり、病院まで迎えに行き、1週間ぶりに妻と息子に会いました。久しぶりに会えたことで、改めて感動しました。そして、息子をチャイルドシートに乗せ、いつもよりも安全運転で妻の実家に向かいました。
妻は退院してから1ヶ月程度、実家に帰省していました。すぐ近くに住んでいたため、私は毎日通い、妻と息子と触れ合う時間を作りました。赤ちゃんを抱っこした事がほとんどなかった私は、生まれてすぐの首がすわってない息子を抱っこすることも、かなり慎重になりました。抱っこも上手にできない私は、この先の育児が不安でしたが、父の自覚を持ち頑張っていこうと自身を鼓舞しました。
ベビーバスを使っての入浴は本当に大変でした。生まれたばかりの不安定な体を片手で支えながらもう一方の手で洗い、お湯で流す。落として溺れさせてはいけないと緊張しながらお風呂に入れていました。初めての経験でとても大変でしたが、妻や妻の両親の協力もあり、日に日に上達していきました。お風呂に入る姿は本当に可愛くて癒されました。これも育休中でなかったら、経験できる回数はもっと少なかったと思います。
子供との生活のはじまり
1ヶ月が経ち、妻と子供が自宅に戻ってきました。ここから家族3人での生活がはじまります。家庭に子供がいて思うことは、子供が生活の中心になるということです。今まではある程度自由な時間で生活できていましたが、子供がいるとそうはいきません。ミルクをあげないといけない。オムツを変えないといけない。お風呂に入れて拭いて服も着させてあげないといけない。寝かしつけもしないといけない。夜中に泣き出した時は起きてあやしてあげないといけない。
当たり前のことですが、やらないといけないことはたくさんあります。これも妻と協力し分担することで、お互いストレスを感じることなく育児ができたと思います。また、育児についての相談や情報の共有をすることで妻とのコミュニケーションも増え、夫婦円満に過ごせることができたと感じています。
育休中に経験できたこと
育休中に経験できたことはいくつかあります。一つは日課にもなった散歩です。天気のいい日の散歩は最高でした。子供をベビーカーに乗せて近所の公園を散歩する。日の光や芝の緑、体で感じる風がとても気持ちよく、気分もリフレッシュすることが出来ました。周りを見ても、私と同年代の男性はほとんどいませんでした。みんな仕事をしているんだろうと、少し申し訳ない気持ちになりましたが、家にこもっているよりは外に出た方がいいだろうと思い散歩していました。子供と散歩していると、近所の方からよく声をかけてもらえました。挨拶だけではなく軽い会話をすることで、近所の方とのコミュニケーションが取れました。人となりを知ることはご近所付き合いが希薄な現代にとってとても有意義だったと思います。
また、旅行に行くこともできました。今までは遠出をしたり旅行をすることにあまり積極的ではなかった私ですが、育休の期間を利用して温泉などに行くことが出来ました。子供連れだと大変かと思いましたが、ホテルの子供連れプランを利用することで、オムツや哺乳瓶消毒セットなどが準備していただき荷物が少なく済み快適に過ごすことが出来ました。普段の生活と離れた場所に行くことは、私にとっても子供にとっても勉強になるいい経験だと思うので、これからももっと色々な場所に行きたいと思いました。
両親や家族と会う時間が増えたことも、良かったことの一つだと思います。子供が生まれた時、私の両親は本当に喜んでくれました。その笑顔を見て、やっと少しの親孝行ができたと感じました。子供が生まれてから両親と会う時間が増えました。また、私の妹や妹の家族とも会う機会が増えました。子供が生まれたことで、家族との時間、会話、そして繋がりが増えたと感じた1年でした。妻の両親や家族と会う時間も増え、仲を深めることができたと感じています。
育休中にやっておけばよかったこと
育休中の1年を振り返り、やっておけばよかったと思うことがいくつかあります。
まず、もっと積極的に育児に参画できたらよかったと思います。ほとんどが妻に教えてもらいながらの育児でした。ミルクや離乳食の量、子供の行事やイベントなど、全て妻が調べたことを教えてもらっていました。妻も私と同じようにわからないことばかりだったと思うので、自ら進んで調べることができたらよかったと感じています。最近、1歳の誕生日を迎え、一升米という伝統的な行事をしました(これも知りませんでした)。子供に一升のお米を背負わせて、一生食べ物に困らないように願いを込めるという行事です。妻から聞いて執り行いましたが、私もこのような行事やイベントを調べ、どんどん参加していきたいと思います。
そして、もっと運動やスポーツ、トレーニングなどをすればよかったと後悔しています。この1年間で正直なところ少し太りました。人間は健康が一番だと思います。子供が生まれて、より一層そう思うようになりました。早死にしたくありません。健康な体で子供の成長を見届けたいと思います。運動は生活習慣病や高血圧、糖尿病などにが予防効果があります。予防できることは予防して健康な体を作りたいと思います。
予防といえば、災害の予防対策も必要だと感じました。1月1日に石川で大きな地震がありました。私の住んでいる地域も揺れ、家族と一緒にいましたが、とても怖い思いをしました。思いがけない時に災害は起こるものです。日頃の防災情報の収集や自宅の安全性の確保にすぐに取り組む事が必要だと感じました。また地域のハザードマップや避難場所、避難経路の確認も、常日頃から行うべきだと感じました。防災グッズを準備してすぐに持ち出せるようにしておきたいとも思いました。子供が生まれたことと、地震を経験した事からそう思うようになりました。
職場復帰
1年の育休も終わり、今月から職場に復帰しました。職場復帰初日は、多少の不安がありました。居場所がないかもしれない。他の社員に何か言われるかもと、あり得ないことですが、少し不安になりました。しかし、そんなこと全くなく、暖かく迎え入れてくれました。社員に恵まれているなと感じると共に、社員や会社の体制に感謝の気持ちが強くありました。私も現在育休中の社員が復帰した時は、暖かく迎え入れたいと思いました。そして、これから育休に入る方にも、有意義な休暇にしてほしいと思っています。
男性の育休は以前よりも取得しやすいと言われていますが、まだまだ浸透していないように思います。今より一般的になり、男性の育児への意識が高まれば、より子育てのしやすい社会に繋がっていくと感じています。
最後に
私は育休を取得してとてもよかったと感じています。まず、家族の絆が深まりました。妻や子供とだけではなく、両親とも接する時間が増えました。妻との会話も増え、今まで気づかなかった妻の真面目さや勤勉さも知ることが出来ました。そして、子供の成長を毎日見ることで、これからもずっと見届けたいと感じ、長生きしたいなとも思うようになりました。さらに、これからの人生においての課題も感じることが出来ました。子供と共に自分も成長しなくてはいけないと感じました。
男性が育児に積極的に参加することは、家族の絆を深めると共に、より良い社会になるために必要なことだと感じました。
Written by 山田