オリジナルTシャツのデザインで、写真をプリントしたいという方は多くいることでしょう。写真は、データ内に色情報をたくさん含むので、「フルカラー」のプリント加工となっています。フルカラープリントは、大きく分けると2つ!「インクジェット」と「転写プリント」です。その中でもとりわけ、「写真」のデザインにおいては、「転写」プリントがおすすめです!
今回は、写真プリントにおすすめしたい「転写プリント」と、おすすめのワケをお話しします。
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写真プリントの特徴
「写真」は、簡単に撮影することができ、デザインを1から考えて作る必要もなく、それだけで ” 映え ” るので、オリジナルTシャツには持ってこいのデザインです。被写体や撮影者の個性も写真に反映されるので、「オリジナル感」を出しやすいデザインでもありますね。
そんなデザインとして重宝される「写真プリント」ですが、写真のデータはたとえモノクロであったとしても、色の濃淡が大変複雑なため、往々にしてフルカラーでしか再現することができないようなデザインです。フルカラープリントと聞くと、単色プリントよりも単価が高くなるイメージがありますよね。実のところその通りで、ほとんどの条件においては、単色プリントの方がフルカラープリントよりも安く製作できるようになっています。
単色プリントよりも値の張る「フルカラープリント」ですから、せっかくなら満足のいく仕上がりにしたい!そんな仕上がり重視のあなたにおすすめしたい「写真」プリントの「プリント方法選択」のコツをご紹介します。
なぜ「転写」プリントがおすすめなのか
なぜ写真プリントには転写プリントをおすすめしたいのか、その理由は、インクジェットプリントのプリント方法と大きく関わってきます。
インクジェットプリントとは
「インクジェットプリント」とは、専用のプリンターを使用してプリントをする方法で、工程としてはTシャツに直接インクを吹きかけることで、生地にインクを染み込ませています。そのため、生地自体の色などによる干渉が多いのがインクジェットプリントの特徴です。
インクを直接生地に染み込ませているため、色の濃い生地(濃色生地)に対してのインクジェットプリントは、インクが色負けしてしまいます。濃色生地の色負けを防ぐために使用するのが「前処理剤」です。「前処理剤」とは、データの色をきちんとTシャツに乗せるため、先に塗っておく薬品のこと。薬品とは言っても特に人体に影響があることはないのですが、生地色によっては、相性が悪く、プリント後も「前処理剤」の跡が残ってしまうことも…。
そして「写真」というデザインには注意したいことがもう一つ。写真はデザイン自体が「四角」の柄のため、前処理剤で多少生地が湿った状態でプリントを遂行する「インクジェットプリント」では、柄が歪む可能性が高くなっています。写真のようなフチの整った四角い柄は、歪みが顕著に表れ、見栄えとしても歪みがわかりやすく表れてしまいます。できるだけ注意してプリント加工はしていますが、100%歪みに対する保証ができないのが、濃色生地のインクジェットプリントの性です。
また、インクジェットプリントは、綿100%のTシャツに限定してプリント加工を行っています。
インクジェットプリントは、比較的お値打ちにフルカラーのデザインを再現できる良い方法ですが、「生地色」「柄の形状」「生地の素材」に左右されることがあるので、「四角い写真」を「好きなアイテム」にプリントしたい時には、あまりおすすめできないプリント方法かもしれません。
転写プリントのいいところ
さて、そんなインクジェットプリントが苦手とする隙間を埋めてくれるのが「転写」プリントのいいところです。
- ・アイテムに左右されない
- ・生地色に左右されない
「転写プリント」は専用の転写紙にデザインを印刷し、生地と重ねて熱を加えてプレスすることで、生地に印刷を施す方法なので、生地自体のカラーや質感は、あまり関係ありません。そのため、インクジェットで対応できないアイテムについては、「転写」が本領を発揮するところです。
「インクジェットプリント」は先述した通りに、生地の上に(下地を敷いて)直接インクでプリントを行うため、いくら下地を敷いているとはいえ、多少は生地の色の影響を受けます。そのため、黒やネイビーなどの色の濃い生地色については、デザイン自体が生地色の影響で、色が沈む傾向にあります。インクジェットではデータ通りの色味で再現できない可能性が高いため、発色のいい「写真」の強みを活かしきれないのが悔しいポイントです。その点、「転写」プリントは生地色の影響を受けづらいため、どのような生地色であっても、データに近い発色のいいプリントを再現することが可能です。特にアイテムの制限もないため、インクジェットプリントで対応できないアイテムにも、フルカラーの写真をプリントすることができるのです。
転写プリントで注意したいところ
そんないいところがたくさんの「転写」プリントですが、もちろん全てがいいところなわけではありません。
- ・シートを熱圧着しているので貼り付けた感がある
- ・大きい柄になると大幅にコストがかかる
専用シートを熱で圧着する加工方法のため、どうしても仕上がりの「貼り付けた感」や「テカテカ感」は否めません。転写プリントの仕上がりの質感が苦手な方にはおすすめできないので、注意が必要です。
コスト面では、小さい柄の場合は「転写」に軍配が上がりますが、40cmの大きい柄の場合は、作業コストの都合で、転写のプリント代がどうしても高くなってしまっています…。
ですが、30cmの場合は濃色のインクジェットプリントと転写プリントに金額の差異はありません。よっぽど大きい柄を希望しない限りは、30cmで十分なサイズ感だと思いますので、仕上がり・コスト面においても、転写プリントは利用しやすいプリント方法となっています。
ただ、「インクジェットプリント」でも『白Tシャツ』の場合は、前処理剤を使用しないプリントのため、写真でも比較的綺麗にプリント加工ができるので、「綿100%の白Tシャツ」では、写真もインクジェットでプリントするのがおすすめですよ。
好きなアイテムに転写で写真をプリントしよう!
転写最大のメリット「アイテムを選ばない」ところ。その特性を活かして、様々なアイテムにプリントしましょう!
インクジェットの前処理剤が残りやすい赤系や青系のTシャツ、綿以外の素材が混ざったポロシャツ、生地の分厚いパーカー、トートバッグにも対応可です!
転写プリントの注意点のおさらい
転写プリントは、プリント面に貼り付けた感・シート特有の光沢感が出るので注意が必要。
転写シート特有の質感が苦手な方は、インクジェットプリントを選択しましょう(ただしアイテム制限あり)。
コスト面においては、小さい柄は比較的安価にプリントできますが、大きい柄になると、プリント代が高くなるのが難点です。定規などでプリントの実寸を確認して、どの程度の大きさでプリントをしたいのか、今一度見直してプリント内容を決定しましょう。
ここまで懇々と転写の良さをお伝えしていますが、綿素材の白Tシャツは前処理剤を使わず、コストも低く済むので、「インクジェット」プリントがおすすめです。フルカラーの写真プリントでコストを少しでも抑えたいのなら、白の綿Tシャツでインクジェットプリントの加工方法を選択しましょう。アイテムによってプリント方法を使い分けるのが、最適なオリジナルアイテムを作るコツですよ。
まとめ
今回は「写真」のプリントにおすすめの「転写プリント」とその理由を話してきました。思い出の写真を、ぜひ転写プリントで様々なアイテムにプリントしてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
Written by 岩田