オリジナルウェアを作るとき、 「 ロゴをどの位置にプリントするか 」 ということに意外と悩みます。Tシャツの場合、他のアイテムに比べてプリントできる範囲が広いので、その分選択肢も増えてしまいます。
Tシャツのプリント位置は、ざっくり分けると 「 前面 」 「 背面 」 「 袖 」 の3箇所になりますが、今回はさらに細分化し、それぞれの箇所ごとに詳しく見ていきたいと思います。ロゴプリントのオリジナルTシャツを初めて作る方もそうでない方も、よければ参考にしてみてくださいね。
Contents
プリント位置ごとに解説!
前面プリント
前面は選べるプリント位置が最も多く、「 左胸 」 「 右胸 」 「 前首下 」 「 胸中央 」 「 左裾 」 「 右裾 」 「 裾中央 」 の7箇所に分かれています。中でも万人受けしやすい位置は、「 左胸 」 と 「 胸中央 」です 。この2箇所は市販のTシャツでも定番のプリント位置ですので、迷ったときは左胸もしくは胸中央のどちらかを選んでおけば間違いないでしょう。
「 前首下 」 は胸中央よりも、やや首元に近い位置へのプリントとなります。この位置にプリントする場合、デザインが大きいとアンバランスになってしまうため、横10cm〜15cm程度に収めるとベストです。
「 左裾 」 「 右裾 」 「 裾中央 」 などの裾部分は、上級者向けのプリント位置となります。裾1箇所のみのプリントですと、なんとなく物足りなさを感じますので、「 左胸+右裾 」 や 「 胸中央+左裾 」 といった具合に別のプリント位置と組み合わせて2箇所プリントにするのが良さそうです。
背面プリント
背中のプリント位置は 「 背中首下 」 「 背中中央 」 「 左裾 」 「 右裾 」 「 裾中央 」 の5箇所です。一番人気なのは背中中央へのプリントですが、ワンポイントのデザインですと背中首下へのプリントの方がこなれて見える場合もあります。全体のバランスを考えながら、どちらが良いかを決めてみてくださいね。
背面の 「 左裾 」 「 右裾 」 「 裾中央 」 は、前面とは異なり、1箇所プリントでも映える位置です。初心者でも取り入れやすく、「 少し変わった位置にプリントしたい 」 とお考えの方にオススメ。ただし、Tシャツの裾をボトムスにインする場合、デザインが隠れてしまうため、要注意です。
袖プリント
一般的に袖プリントというと 「 左袖 」 へのプリントが主流ですが、もちろん 「 右袖 」 や 「 両袖 」 へのプリントも可能です。袖のプリントは横から見たときに目立つ位置ですので、会社のロゴマークや個人の名前などをさりげなくアピールしたいときにいかがでしょうか?他のプリント位置よりも印刷できる範囲が狭く、プリントサイズは横8cm程度が最大となります。
番外編:脇下プリント
実は、丸胴のTシャツ(脇の横に縫い目がないタイプのTシャツ)であれば、前から後ろにまたぐようなプリントもできます。ほとんど見かけることはありませんが、もし気になる方がいましたら、弊社スタッフまでお問い合わせを。
プリント位置に関する注意事項
プリント位置を決めるにあたり、注意していただきたいことが2点あります。
ミリ単位での指定は不可
プリント位置の具体的なご指定がある場合、「 首のリブから◯◯cm 」 「 裾の縫い代から◯◯cm 」 という形でご指示をいただければ対応いたします。ですが、ミリ単位での指定はできないため、センチ単位にすることを忘れずに!また、現場のスタッフが手作業で位置を合わせますので、どうしても多少の誤差が発生してしまいます。機械のようにすべて同じ位置にはできませんので、プリント位置にこだわりがある場合はご注意ください。
縫い目や段差にかかる位置へのプリントはNG
技術上、インファクトリーでは縫い目や段差にかかる位置へのプリントはお受けしておりません。そのため、「 Tシャツ全体にラインを入れる 」 「 袖を1周するような柄を入れる 」 「 首回りに沿うようにネックレスの柄を入れる 」 といったご要望にはお応えできかねます。縫い目や段差に近い位置へのプリントは可能ですが、最低でもデザインを3cm離さなければならないため、お客様のイメージしている通りにならないことがあります。あらかじめご了承ください。
胸中央/背中中央のプリント
ロゴプリントをご希望いただくのが多い箇所の一つが胸中央や背中中央へのプリントです。胸中央や背中中央には、他の位置に比べて大きな印刷を入れられるのが特徴です。胸や背中に大きく印刷をすると着用した際にとても目立ちます。そのため、企業名や店名を印刷して宣伝効果を狙ったり、イベント行事で着用するSTAFFウェア、大勢が集まるようなシーンで自分達の存在をアピールしたい時に着用する際には特にオススメのプリント位置です。
Tシャツ
Tシャツは、ポロシャツやパーカーに比べて胸や背中に特別な制限はなく、大きなプリントを入れることができます。
ただし、Tシャツに限った話ではございませんが、注意いただきたい点としては、アイテムのサイズによって印刷が可能な最大のサイズが異なるというところです。なるべく大きく印刷をしたいという際にも、キッズサイズのTシャツが含まれるとプリントのサイズに制限がかかってしまいますのでご注意ください。【プリント可能範囲】はホームページにもご案内しておりますので、デザインやプリントの大きさを考える際には事前に確認しておくこをオススメします。
ポロシャツ
ポロシャツの印刷となると、胸中央ではなく背中にプリントをご希望されるお客様が多いですね。胸中央の箇所にもプリントを施すことは可能ではありますが、前の首下に前立て(シャツの前部分に付けられる帯状のパーツ)が付属しておりますので、布の段差に干渉しない程度となると、前立てからさらに3〜4cm程度は下の位置にプリントをすることとなります。ポロシャツの胸中央へプリントをご希望の場合はかなり下の位置へのプリントとなってくるので、注意が必要になります。
パーカー
パーカーには大きく分けて2種類のタイプがございます。【ジップアップ(ファスナーあり)】と【プルオーバー(ファスナーなし)】の2種類ですね。ジッパー部分を跨いでのプリントは弊社では対応しておりませんので、ジップアップタイプのパーカーには胸中央のプリントを施すことが出来なくなっております。
プルオーバータイプのパーカーであれば胸中央への印刷も可能ですが、お腹の辺りにポケットがついている関係で、プリントのサイズには制限がかかってまいります。パーカーの種類によって印刷できるサイズには多少の差がありますが、Mサイズのプルオーバーパーカーの場合は【縦20cm×横35cm】程度が印刷可能な最大サイズとお考えください。
背中へのプリントは、ジップアップとプルオーバーの違いは関係ありませんので、大きくプリントをすること自体は可能です。ただし!ここで注意が必要なのが、【パーカーにはフードがついている】という点です!フードを被って着用している際には気になりませんが、フードを被らない状態で着用をした際には、当然ですがフードが背中に垂れてきます。
そうすると、プリントをする位置によってはデザインの一部がフードに隠れて見えなくなってしまうのです。通常であればパーカーへの背中プリントは、プリントをする高さを調整することでフードにデザインが隠れてしまうことを防ぎます。ただ、縦40cmなどの大きなプリントになると位置の調整ではどうにもなりませんので、デザインの上部が隠れて見えなくなってしまうため注意が必要となります。
左胸/右胸のプリント
左胸や右胸には、ワンポイントとして小さめ(10cm以内)のプリントをご希望いただくことが一般的となります。小さめのプリントをご希望いただくことが多くはなりますが、Tシャツへの印刷であれば縦長に印刷することも可能です。飲食店などの制服はもちろん、部活動のユニフォーム、販売用のオリジナルTシャツなど、さまざまなシーンで利用されるTシャツですが、左胸の位置が最も汎用性の高い無難なプリントかと思います。ラルフローレンのポロシャツのように、ロゴのサイズを小さめにするとおしゃれな雰囲気が出るため、あえてロゴを小さめにするのもおすすめです。
Tシャツ
Tシャツの左胸/右胸には10cm以内のワンポイントプリントをご希望いただくことが多いですね。10cmの版をご選択いただいた場合、縦10cm×横10cmという範囲であれば、デザインの大きさは自由自在です。3cm程度の本当に小さめワンポイントから、10cmだと少し大きすぎるというような場合は7cm程度まで縮小するという対応も可能です。
正円や正方形などのデザインで10cm最大の大きさで印刷をすると、思っていたより大振りな印象を与えることもありますので、正円や正方形などのデザインの場合は少し小さめの印刷をされる方もいらっしゃいます。反対に横一列に文字を入れるような場合は、あまり文字数が多いと1文字1文字が小さくなり過ぎてしまいますので、横幅は10cm程度をキープするといいかもしれません。
ポロシャツ
ポロシャツには、種類によって左胸にはポケットが付いている商品があります。ポケット付きの商品の左胸印刷には【ポケット上(ポケットにかからない上の位置)】【ポケット内(ポケットそのものに印刷)】の2パターンがあります。【ポケット上】にプリントする場合、縫い目から2cmほど離さなくてはなりません。縫い目ギリギリの位置にプリントしたり、ポケットからキャラクターが顔を覗かせているようなデザインに仕上げることはできませんので気をつけましょう。
【ポケット内】へのプリントはさらに印刷の範囲が制限されてしまい「横6cm×縦4cm」が最大となります。実際に定規などで測っていただくと分かりやすいのですが、縦4cmというのはかなり小さいサイズになっていますので、要注意です。
また、ポロシャツの前面には前立て(シャツの前部分に付けられる帯状のパーツ)があるため、プリント可能範囲の「横幅」に注意が必要です。例えば大人用のSサイズのポロシャツであれば横幅10cmまでの印刷が可能ですが、120サイズなどの子供用ポロシャツになると横幅5cm程度の印刷に限られてしまいます。このように横幅には制限がかかりますが、反対に縦幅であれば、20cmや30cmまで大きく印刷をすることもできますよ。
パーカー
パーカーの左胸/右胸プリントで注意したいのは、やはり【ジップアップ(ファスナーあり)】と【プルオーバー(ファスナーなし)】の違いですね。ジップアップタイプのパーカーの場合は、ポロシャツ同様にプリント可能範囲の「横幅」に注意が必要です。
背中首下/前首下のプリント
背中首下や前首下には小さめのワンポイントや、横長の場合であれば20cmや30cmの大きめなプリントをされる方が多いですね。小さめのプリントにすればさりげないおしゃれな印象を与えますし、ちょっと大きめの印刷で個性的な仕上がりにすることも可能。
Tシャツ
Tシャツの背中首下位置には【リブ下3cm】の位置で印刷を行うのが一般的となっています。胸中央や左胸の印刷では、見栄えが良くなるように商品のサイズによって位置を上下左右に調整しておりますが、背中首下の位置にはお客様からのご希望がない限りは全てのサイズ共通の位置にさせていただきます。
ポロシャツ
ポロシャツにも、基本的にはTシャツと同じように【リブ下3cm】の位置で印刷を行うのが一般的となっています。ただし、ポロシャツの中には前襟の部分にボタンがついた【ボタンダウン】と名のついた種類のものがございます。こちらの商品にはちょっと注意が必要!作業の都合上、背中首下には【リブ下5cm程度】の位置にプリントをするお話となります。他のポロシャツに比べると多少下の位置への印刷になってしまうことをご了承ください。
パーカー
パーカーの背中首下にもプリントをすること自体は問題なく可能ですが、背中のプリントの際に説明した通り、フードを被らない状態で着用すると印刷の大部分が隠れてしまいます。特に背中首下のプリントの場合、印刷のサイズによっては完全に隠れてしまうような場合もあるので注意が必要!もちろん、〝あえて〟隠れた部分に印刷があるというのもオシャレだと思うので、パーカーの背中首下部分に印刷をご希望の場合はお気軽にご相談ください!プルオーバーパーカーに限られますが、前首下の位置であれば問題なくプリントは可能ですよ。
袖(ソデ)のプリント
袖へのプリントでご注意いただきたいのが、印刷できるサイズです。定期的に「袖を一周するようなラインプリント」ができるかどうかのお問い合わせをいただくのですが、インファクトリーでは袖を一周するような印刷は対応しておりません(汗)
商品の種類やサイズによっても異なりますが、作業の都合上、半袖の場合は「縦8cm×横8cm」程度の印刷を最大のサイズとさせていただいております。長袖の場合、縦であれば40cm程度の印刷が可能な場合もあります。ただし、袖への印刷は他の位置への印刷に比べて少し作業に手間がかかります。
その関係でシルクスクリーン印刷の場合は袖プリントのオプション料金が加算されますので、他のプリント位置よりも少し料金が高くなってしまうことをご了承ください。
裾(スソ)のプリント
裾部分への印刷は大きく分けて「右裾」「左裾」「裾中央」の3種類があります。残念ながら見積依頼のご入力フォームでは「右裾」「左裾」のみとなっていますので、裾中央の位置をご希望の際は備考欄の部分に「背中裾中央への印刷を希望します」と一文ご入力いただけますと幸いです。裾への印刷はあまりメジャーなプリント位置ではないかもしれませんが、小さめのプリントを左右の裾にしても可愛いし、中央あたりに大きく印刷をしても、裾のあたりなのですごく目立つ!というような印象を与えることもありませんので、ちょっと個性的な位置かもしれませんが、とてもオススメのプリント位置ですよ。
プリントサイズ別|オススメのプリント位置
10cm×10cm以内
ワンポイントのデザインなら 「 左胸 」 「 背中首下 」 「 左袖 」 あたりのプリントがオススメです。Tシャツのサイズやデザインの形状によっては10cmですと大きすぎる場合もあるので、状況に合わせて調整しましょう。
20cm×20cm以内
20cm×20cmのデザインは 「 胸中央 」 「 背左裾 」 「 背右裾 」 のいずれかへのプリントがオススメです。左右のどちらの裾に入れるかは好みが分かれるところですので、自分がしっくりくる方を選んでみてくださいね。
30cm×30cm以内
Tシャツのプリントにおいて、よく見られる30cm×30cmのデザイン。「 胸中央 」 や 「 背中中央 」 へのプリントが最も見やすく、オススメです。
40cm×40cm以内
A3サイズ程度のプリントサイズです。「 胸中央 」 か 「 背中中央 」 にプリントするのが基本ですが、縦長のデザインなら 「 左胸 」 、横長のデザインなら 「 背裾中央 」 にプリントするのもアリかもしれません。
少し変わったプリント箇所
あまりご希望としては多くないためHPにも載っていないのですが、変わった場所としては『脇の下部分』というプリント箇所もあります。
脇下から裾にかけてのプリントです。脇のラインをまたぎ、前面と背面の端っこにもデザインが現れるため、特徴的な印象を与えることができます。
ただし、脇下のプリントには選択するための条件がありますのでご注意ください。Tシャツなど商品自体の脇下部分に「 縫い目がない 」 というのが前提条件となります。いわゆる丸胴といった形状のものです。脇下に縫い目がある場合、版が浮いてしまいプリントをすることができません。
もうひとつの注意点ですが、脇下のプリントは作業をする際に位置を合わせるのにどうしても通常より手間がかかってしまいます。作業時間を踏まえ、プリント料金としては『 +1色分 』 の金額を適用させていただいておりますのでご了承ください。
迷ったら 『 おまかせ 』 で!適切な位置でご提案します!
さて、プリント位置をどのように設定しているのか、指示の仕方などを説明してきましたが、実際にどの程度の位置で作成することが多いか、ご紹介します。
胸の方は、Tシャツの絵型の袖ぐりの下方の位置にプリントが来るように位置設定をすることが多いです。そのため、ちょうどいいプリント位置になるよう、プリントの縦幅の大きさによって、少しプリント位置を調整させていただいています。
例えば、左胸のプリントで 『 正方形に近いデザイン 』 と 『 横幅が広いデザイン 』 では、プリント位置を同じぐらいにするためには、リブ下の距離が変わります。デザイン次第で、リブ下の距離は変わってくることがあるので、数値よりも見え方重視で位置を調整するのがいいかもしれませんね。
背中の方は、 「 リブ下8cm 」 や 「 リブ下10cm 」 程度に設定することが多く、胸より襟ぐりが狭い分、少し上めのプリントになる印象です。
絵型で見ると、胸より背中のプリント位置の方が上めだと感じる方もいるかもしれませんが、実際着用していただくと、裏表を比べることはないので、そんなに気にならないはずです。それでも、もっと中央寄りのプリントがいいという方は、もちろん対応できますので、お気軽にご相談ください。
色々ご紹介してはみましたが、結局のところ、どの位置にプリントしたらいいのか、初めて作る方は特に迷ってしまいますよね。お客様から「リブ下何センチ」とご指定いただく場合もありますが、多くの場合は私共で適切な位置のプリントとしてご案内しています。具体的なプリント位置を考えていただく必要はまずないと思いますが、 『 よくあるプリント位置 』 を知っておいていただくと、何か参考になるかもしれません。 「 プリント位置 」 にもこだわってオリジナルTシャツ作りをすることで、 「 こなれ感 」 が出るので、こだわりたい方は、デザインやカラーだけでなく、プリント位置にも気を配っていただくといいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?同じデザインでもどの位置にプリントするかで印象が変わりますので、何パターンか試した上で、ちょうど良い位置を見つけてもらえたら…と思います。インファクトリーにはWEB上で自由にデザインができる 「 デザインシミュレーター 」 もありますので、プリント位置を決める際には、ぜひこちらをご活用ください!
▼デザインシミュレーター
https://www.infac-planning.com/design/designsimulator.html
Written by 湯浅