オリジナルウェアを作ろうと考えている皆様にちょっとした耳寄りな情報をお届けします。同じプリントができるという条件に当てはまれば、商品の種類は複数にまたがっても発注可能です。Tシャツを作りたいけど、同じデザインで1枚だけパーカーをプリントしたい、といったお客様も多いと思います。
どんな場合に複数まとめてプリントができるのか、また、こんな場合には別の商品も合わせて検討されると良いですよ、といったことについて少しご紹介をします。これから発注を考えている方、追加製作を考えている方、どんな場合にでも活用できる内容となりますので、ぜひ事前に目を通してご発注の際にお役立ていただければと思います!
Contents
同じプリントが可能であれば他の商品でも同じロット!
導入部分でチラッと書きましたが、同じプリントができる条件に当てはまれば様々な商品をまとめて一括でご発注いただけます。
こちらの”同じプリントができる条件”というものについて説明をします。同じプリントができるというのは、同じデザインを使用し、同じプリント箇所に、同じプリント方法で製作をすることができる、という解釈です。プリント方法や、使用する商品の種類によって可否が異なりますので、いくつか細かく条件をご紹介します。
①シルクスクリーンプリント
版を作りインクを版の上から刷り込む定番のプリント方法です。版を使用してプリントをしますので、まずは同じ版が使用できる、というのが前提条件になります。こちらについては、逆に同じ版が使用できない場合、を考えた方が早いので、使い回しができないケースを挙げます。
『油性インクを使用するための専用の版 』 はTシャツ等に使用することができません。逆も然りです。
Tシャツやポロシャツ、トレーナーなどに使用するインクと、ブルゾンに使用する油性インク、は性質が異なりますので別の種類の版を使用します。
- Tシャツにプリントをした版でブルゾンも一緒にプリント → 不可
- ブルゾンにプリントした版で一緒にパーカーをプリント → 不可
つまり、ブルゾンは特殊な立ち位置であると覚えておいてください!ブルゾン以外の商品は基本的に一緒にプリントが可能です。
- Tシャツにプリントをした版でトレーナーとパーカーも一緒にプリント → 可
- ポロシャツにプリントした版で一緒にロングTシャツとトレーナーもプリント → 可
『 バッグにプリントするための版 』 はバッグ専用となります。バッグ以外の商品には一切使用することができません。プリントをする際にTシャツ等とバッグでは、版の向きが逆になります。そのため使い回しはできません。
『 プリント箇所の都合 』 で商品によっては使い回せない場合、もしくは注意が必要な場合があります。
詳しくは、プリント箇所と商品の形状の組み合わせ次第で使い回しができない、というケースです。よくあるNGのケースでは、
Tシャツの”左胸”にプリントをするプリント内容で、他にも”ポケット付き”のTシャツや”ポケット付き”のポロシャツを一緒に製作したい → 左胸用の版がポケット部分に被ってしまうため、作業の都合上同じ版は使用できません。
Tシャツの”胸中央”に入れたプリントをポロシャツや、ジップパーカーに入れたい → ポロシャツは胸中央に前立て(ボタンがついている部分)があり、ジップパーカーは中央にファスナーがあるため、胸中央の位置で作った版では前立てやファスナーに被ってしまうため、同じ版は使用できません。
『 注意が必要なケース 』 ですが、Tシャツの ” 背中首下 ” に入れたプリントをパーカーにも入れたい、という場合、プリント自体は可能ですが、パーカーにはフードがついていますのでプリントが隠れてしまいます。フードを被った時にだけ見えるオシャレプリントという、あえての意図であればグッドです!
他にはTシャツの背中中央に入れたプリントをパーカーにも入れたい、という場合、上記ケースと同じくパーカーにはフードがありますので、一般的な背中中央の位置で作った版をパーカーにしようした場合、パーカーに対してはちょうどフードで隠れるあたりの位置になります。プリントが少し見えるか見えないかの微妙なラインになりますが、それでも問題がないかをご確認ください!(少ない枚数の場合、パーカーだけは少しだけ位置を下げてプリントすることも可能な場合があります)
フルカラープリント
フルカラープリントはインクジェットと転写の2種類方法があるため、条件が複雑です。基本的には、綿100%の白Tシャツ、黒Tシャツであれば半袖Tシャツと長袖Tシャツ混在でもまとめてインクジェットプリントは可能です。
その他、ポロシャツやトレーナー、パーカー、ブルゾンなどが混在する場合には、転写プリントであればまとめてプリントは可能です。
まとめて作るメリット
いろんな商品をまとめてプリントをすることで得られるメリットとしてはどんなものがあるのかご紹介します。
単純に送料が1回分減る場合がある!
最初にTシャツだけを発注して、少し後に長袖Tシャツを別で発注する、と考えた場合に一度にまとめてしまえば送料がお得になりますね。
プリント料金単価が安くなる場合がある!
プリント料金の単価ですが、基本的には何枚同じプリントをまとめてできるか、という観点で単価が変わります。「 10枚〜29枚 」 と 「 30枚以上 」 では1箇所1色あたりのプリント料金単価が100円(税抜き)変わります。
例えば、左胸に1色プリントのTシャツを作ろうとして集計をしたら合計枚数が25枚だった場合、このままではプリント料金は250円(税抜き)が適用されます。しかし、実は長袖バージョンも欲しいという方や、ポロシャツだったら欲しいという方もいた場合、長袖Tシャツやポロシャツも一緒に発注をすることで合計枚数が30枚を超えてしまえば、プリント料金は150円(税抜き)が適用されます!!お得になります!!!
いろんな商品のバリエーションを参考程度に作っておく!
Tシャツを発注する際に、今後もしかすると同じデザインでトレーナーやパーカーなども作るかもしれない・・という可能性がある方は、サンプルを兼ねて一緒に1枚だけ作っておくのも良いかと思います。あとになって、パーカーを1枚だけ見てみたいとなった場合、1枚だけ作るのはどうしても割高になってしまいます。同じプリントさえできれば問題ないので、今後のことも考えていろんな商品を1枚ずつ加えておくのも賢い利用方法だと言えます。
ニーズに応える
Tシャツはいらないけどポロシャツだったら欲しい、長袖なら欲しかった、トレーナーなら作ってもいい、など集計の際に様々な需要があるかもしれません。まとめて一緒に作れることを知らない場合、このような少数の意見は切り捨てられてしまう可能性があります。
同じデザインでも別ロット扱いになるケース
同じデザインではあるが、一緒のロットとして扱うことができない場合もあります。いろんな商品をまとめて発注しようとしたとき、同じデザインなのになぜ別々の扱いになってしまうのか?という疑問があるかと思いますので、簡単に解説をします。
版の種類が違う場合
上の方にも記載しましたが、ブルゾンが混じっていた場合は専用の油性インクを使用し、油性インク用の版も必要になります。製作工程がバラバラになりますので、同一として扱うことができません。
プリント色が異なる場合
同じ版を使用するとしても、インクの色が異なる場合は一度版のインクを洗い流し、乾燥させてから別の色のインクを乗せてプリントを行いますので、プリント作業が分断されてしまいます。つまり連続して同じプリントをすることができない以上、別々のロットという扱いになります。
プリント方法が異なる場合
フルカラープリントの場合インクジェットと転写の2種類方法があります。転写は基本的にどんな種類の商品でも対応できますが、インクジェットはプリント箇所に制限があります。また、インクジェットは原則ドライ商品やトレーナー、パーカー、ブルゾンには使用できません。
対応できる商品でも、生地の色によってはシミが発生する場合があるため、インクジェットをおすすめしないこともあります。そのような場合には転写プリントで製作を行います。複数の商品やカラー内訳でフルカラープリントをする場合、場合によってはインクジェットと転写が混在するケースもあります。
プリント方法が異なれば当然作業も別々になってしまいますので、同一ロットとすることはできません。このような場合には全て転写プリントで統一することをおすすめします!
小ロットの回避策として
プリント料金単価が安くなる場合がある、というところでも記載しておりますように、枚数を稼ぐための方法としてもご活用ください。
例えば、元々は合計8枚しか必要じゃない、というケースでは、10枚未満の小ロットとしての扱いとなります。小口手数料などで割高になってしまいます。そんな時には、一緒に長袖バージョンも作っておく、などをして合計枚数を10枚以上にすることで小ロットになるのを回避することができます!少数製作の方にはぜひご活用いただきたい技です!
まとめ
何か商品をご発注いただく際に、自然と同じ商品で統一しないといけない!と考えられるお客様がいらっしゃいます。他にも、一緒にこの商品も混ぜることができますか?というご質問もよくいただきます。プリント内容の条件次第では複数の商品を混在してご発注いただくことも可能です。同じプリントができるか、というところを判断材料としてご検討いただくか、わからない場合はお気軽にお問い合わせください。お得に製作ができることもありますので、いろいろな商品でもぜひご検討ください!
Written by 神谷